勉強になりました (血液型の亜型)

今日の診療中にお問い合わせの電話をいただきました。

「母が40歳頃までA型と思っていたのですが、A1Bm型の血液型でした。自分も調べた方が良いでしょうか?すこやか内科で調べられますか?」

というご相談でした。恥ずかしながら私は何のことか理解できませんでした。

調べてみたところB型赤血球のB型抗原を作る指令が増幅されず、B型の抗原が極端に少なくなる遺伝的な体質のことでした。

下の図で示したようにO型の赤血球にはA型、B型の抗原はありません。A型にはA抗原、B型にはB抗原、AB型にはA抗原とB抗原がついています。

A1Bm型では本当はAB型なのにB型の抗原が少なく検出されないためA型と間違われてしまうことも多いらしく、最悪の場合間違った輸血をされてしまい、致死的な合併症を生じる可能性があります。

当院では調べられない内容でした。

O型

 A抗原B抗原(-)。

A型  A抗原(++)

B型   B抗原(++)

AB型  A抗原(++)、B抗原(++)

A1Bm型  A抗原(++)、B抗原(+)

 

日赤血液センターにお伺いしたところ大病院からの依頼、あるいは献血などで調べているとのことでしたのでそのようにお伝えしました。

血液内科15年目で、新たな勉強の機会をいただけたことに感謝です。お問合せいただきありがたかったです。

親切に教えていただいた日赤血液センターの方、ありがとうございました。

糖尿病の患者さんはがん検診をうけましょう

私が専門とする血液内科では治療成績の向上に伴い、治療後に生じる悪性腫瘍への対応が課題となっています。例えば悪性リンパ腫のひとつであるホジキンリンパ腫は、今や80%の患者が治癒するため、治療(放射線+抗がん剤)によって増加するがんのリスクに対して治療を縮小すること、検診を受けていただくこと、が課題になっています。同じく造血幹細胞移植(同種移植)を受けた患者さんは固形がんの発症リスクが2~3倍であることが知られており、移植前からがん検診を受けるよう患者さんにお話ししています。

ところが、糖尿病と言えば血管系の合併症(脳梗塞、心筋梗塞、腎不全)が命に関わる、という意識が強く、私も含めて発がんについてあまり意識されていなかったように思います。しかし、「糖尿病の死因に関する委員会報告」によると現在の死因第 1 位は悪性新生物( 38.3 %)、第 2 位は感染症( 17.0 %)、第 3位は血管障害(慢性腎不全,虚血性心疾患,脳血管障害)( 14.9 %)という結果でした。すなわち高血圧や高脂血症に対する薬物療法が進歩し、血管障害が減少している一方で(減少したからか)、悪性腫瘍でお亡くなりになる方の割合が増え続けているのが現状です。「糖尿病と癌に関する委員会報告」によると男性1.27倍、女性1.21倍と発がんリスクが高いことが報告されており、スウェーデン、米国の観察研究によると血糖のコントロールの良し悪しに関わらず発がんのリスクが高いことが示されています。

以上のことから厚生労働省では、胃・子宮頚部・乳房・肺・大腸についてのがん検診を推奨しています。糖尿病は全身病であり積極的に健康診断を受診するよう心掛けていただきたいと思います。

(詳細 http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/070/020/04.html)

高齢者におすすめするワクチン ①水痘帯状疱疹ワクチン

水痘(水ぼうそう)は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる伝染性疾患です。皮疹が軽快した後にVZVは神経に潜伏感染し加齢、疲労、ストレスなどにより免疫力が低下すると再活性化し帯状疱疹を引き起こします。

50歳以上になると帯状疱疹の発症は増加し、70歳以上でさらに高くなり85歳までに半数の人が経験すると報告されています。さらに2014年10月から水痘ワクチンが小児への定期接種として開始されたことから、一度水ぼうそうにかかった方はVZVウイルスとの接触する期会が減っており、免疫が維持されにくくなることで、ますます帯状疱疹になりやすくなるものと予想されます。

帯状疱疹の合併症では10~20%に発症する帯状疱疹後神経痛が重要です。皮疹消失後3か月以上にわたって痛みが持続することを指し、焼けるような耐え難い痛みが続きます。皆さんの周りにも苦しんでいる方がいるのではないでしょうか?

日本では2016年3月から50歳以上の人に対する帯状疱疹の予防として水痘帯状疱疹ワクチンを接種することが認められました。治験では60歳以上で、帯状疱疹の発症が51.3%減少、帯状疱疹後神経痛の発症が 66.5%減少し、50歳~59歳で帯状疱疹発症が69.8%減少しました。副反応は注射部位の皮膚反応が主で重篤なものはみられませんでした。(効果は一般的に5年程度と考えられています。)

9月16日は敬老の日でした。来年の御両親、祖父母へのプレゼントとしてワクチンを検討されてみてはいかがでしょうか?

参考資料:

M.N. Oxman, M.D. et al.  N Engl J Med 2005; 352:2271-2284

帯状疱疹ファクトシート(厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000184909.pdf)

スマホアプリで健康増進

新型iPhone発売のニュースが世間で話題になっていますが、今やスマートフォンの普及率は85.1%(2019年2月)と多くの方がスマートフォンを利用されています。

ではスマートフォンのアプリを健康増進(食生活、運動、座ったままの生活の改善)に利用できないでしょうか?2006年~2016年までに報告された論文27報(小児~若年者4報、大人23報)をまとめた報告によると小児では効果あり(1報)、一部効果あり(1報)、変化なし(2報)と評価が定まっていません。一方で、大人では変化なし(6報)に対して効果あり(17報)と有効な可能性があることが示されました。また、教育、カウンセリング、やる気の出るメール、ウェブサイト、歩数計などをアプリと併用することで効果が上がる可能性がある、と報告されました。

同様に「ポケモンGo」の活動量への効果を見た論文が香港より報告されています。これによるとiPhoneを持つ13~65歳までの210人がポケモンGOをインストールし、歩行距離の増加(18.1%:0.96㎞)がみられたそうです。ただし、24日で飽きてしまいその効果が打ち消されたとのことでした。(米国では飽きるまで42日だったそうです。)

これらの結果からスマートフォンのアプリは生活習慣病の予防や改善に役立ちそうで、長く続けることが重要と言えます。

ハレノテラスにはNTTドコモ、ワイモバイルの店舗もあり、きっとそれぞれの店員さんが親切に教えてくれることと思います。スマホを健康に役立ててみるのはいかがでしょうか?

参考文献)

Schoeppe et al.  International Journal of Behavial Nutrition and Physical Activity (2016)13:127

Ben D Ma et al. Journal of Medical Internet Research (2018)20:e217

ブログを開設しました。

ハレノテラスすこやか内科クリニック院長の渡邉です。

このたび当院のブログを開設いたしました。

医療、健康についての話題のほかハレノテラスで行われるイベントなどについて更新していたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。