インフルエンザ

《インフルエンザについて》

インフルエンザはインフルエンザウィルスに感染することで発症します。感染してから1~5日間の潜伏期間を経て、38~39℃以上の発熱や筋肉痛・関節痛・頭痛・倦怠感といった全身症状や、咳・痰・のどの痛み・鼻水といった呼吸器症状が出ます。

診断は(1)症状として急激な発熱、倦怠感、全身の痛み等があること、(2)周辺地域の流行状況、(3)患者との接触―などの総合的な状況を踏まえて行います。インフルエンザ迅速キットによる検査は、ウィルスが体の中で増えるまで時間がかかること、実際にインフルエンザにかかっているのに検査が陰性となる方が多くいるため検査だけで診断することはありません。

《インフルエンザと診断されたら》

まず、お薬を処方されたら、決められた通りにきちんと使いましょう。そして、外出はせず、自宅で静かに寝て安静にしてください。

食事は、体調に応じて食べられそうなものを少量でもよいので摂りましょう。もし食べられなくても、水分は摂るようにしましょう。この時、お茶だけでは脱水になってしまうのでスポーツドリンクもあわせて飲むのがおすすめです。お風呂は入っても構いませんが、湯冷めしたり脱水になったりしないよう気をつけてください。

 

《自宅療養中に気をつけること》

子供と違い、大人の場合はインフルエンザが重症化することはあまりありません。しかし、高齢者や何らかの基礎疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患、先天性心臓病、糖尿病、腎臓病など)がある方、免疫不全の方(ステロイド内服中、免疫疾患など)、妊娠中の方、肥満の方は重症化し、肺炎や心筋炎、脳炎などになる可能性があります。

上記に当てはまる方はご自身でも気をつけると共に、ご家族にも見ていて頂き、熱が3日以上続く、症状が悪化してきた、息苦しい・息切れがする、胸が痛い、ぼーっとする・おかしなことを言う・変な行動をする など普段と異なる心配な症状が現れてきた場合は速やかに受診してください。

 

《診断された後の外出について》
子供の場合は、学校保健安全法で「発症した後5日が経過して、かつ解熱した後2日を経過するまで」園や学校は出席停止と決められています。

大人の場合には決まりはありませんが、最低でも解熱後2日間が過ぎるまでは外出を控えましょう(可能なら発症から7日間)。

《お子さんで気をつけること》
お子さん(特に幼稚園生まで、時に小学生でも)は、発熱している時に興奮する、何かにおびえて泣く、おかしな言動をする、話しかけても反応しない などの異常行動が出ることがあります。インフルエンザの治療薬や解熱剤の影響であると言われることもありますが、発熱そのもので起こることもあります。この様な症状が出たら、目を離さないようにしてください。

また、区別が難しいのですが、インフルエンザ脳症ではウィルスが脳に悪影響を与えて、上の様な異常行動の他に けいれん、首の痛み、見えないものが見えると言う、意識が悪い などの症状が出て、最悪の場合は命に関わることもあります。何かおかしいと思ったら速やかに受診してください。

 

《予防するには》
インフルエンザは、飛沫感染(他の人のくしゃみ・咳の一部を吸い込むことで、ウィルスが体に入る)や接触感染(他の人の触った物を自分が触り、その手で目・鼻・口などに触れてそこからウィルスが体に入る)で広がります。

まずウィルスに負けないように普段から健康に気をつけて免疫力をつけておきましょう。そのうえで手指消毒をきちんと行いましょう。石けんをつけて手洗いし、洗って乾燥させるかアルコール消毒をするとよいでしょう。

普段から自分が風邪やインフルエンザをうつされないようにするだけでなく、咳やくしゃみが出る時はマスクをして、鼻をかんだり咳・くしゃみを受け止めたりしたティッシュなどは直ぐにゴミ箱(ふた付きが望ましい)に捨てるなど、他の人にうつさない配慮もしましょう。

そして、インフルエンザの予防接種の効果が出るのには2週間~1か月程かかるので、流行期に入る前に接種するようにしましょう。毎年打っても、自分の免疫が下がる心配はありません。効果は5か月程度続くと考えられており、10月頃から接種するのが有効です。

《治療などについての当院の考え方について》
インフルエンザについて当院の考え方(改定:2019.11.8)