花粉症

《花粉症とは》

花粉症は、アレルギー疾患の一つです。アレルギー疾患にはアトピー皮膚炎や喘息、アレルギー性結膜炎などがあり、これらにかかっている人や家族にそういう方がいらっしゃる方は他のアレルギー疾患も起こしやすいことが知られています。

花粉症の原因となる花粉には主にスギ(2~4月)やヒノキ(3~5月)、イネ(5~9月)、ブタクサ(8~9月)などが知られています。花粉が鼻や目に入ってくると、人体の粘膜にもともといるマスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンという物質が放出されて、鼻や目の血管・神経を刺激して、くしゃみや鼻水・鼻づまり、眼やのどのかゆみが起こります。更には、皮ふのかゆみや副鼻腔を引き起こすこともあります。

原因の正確な評価には、皮膚反応試験、誘発試験が有用ですが、血液検査でも大まかに調べることができます。

 

《花粉症の治療にはどんなものがありますか?》

治療として、次のようなものがあります。治療は症状が出始める前、つまり花粉が飛び始める頃より前から始めるのがおすすめです。

1.お薬による治療 <症状をおさえたり、軽くしたりする>

・飲み薬:

①抗ヒスタミン薬:アレルギー治療の基本です。現在主に使われているものは第2世代という眠気や沈静作用の少ないタイプです。1日1回のタイプや2回のタイプがあり、効果の強さも色々なものがあります。

主な副作用として眠気(最も多い)・頭痛・吐き気・めまい・だるさなどがあります。車を運転する方や仕事で高所作業をする方には運転制限のない薬を選んで処方します。

➁ロイコトリエン拮抗薬:鼻づまりへの有効性が高いお薬です。喘息の治療にも使われます。

➂遊離抑制薬:ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどアレルギー反応に関与する物質が出ていくのを防ぐ薬です。妊娠中に使えない薬も含まれます。

④ステロイド薬:非常に症状が強い場合にはステロイド薬の短期内服を行う場合があります。

・点鼻薬:鼻にたらすタイプやスプレーするタイプのお薬で、鼻水の症状が強い方におすすめです。

・点眼薬:目のかゆみが強い方には、点眼薬の使用もおすすめします。

・貼り薬:最近発売された新しい治療法で、1日1回貼りかえるタイプのお薬です。他のお薬と共通の副作用以外に、このタイプでは貼ったところが赤くなったりかゆくなったりする副作用があります。

 

☆次の3つの治療は、アレルギー専門医への紹介が必要となりますが、ご希望の方は医師におっしゃってください。

2.アレルゲン免疫療法(特異的減感作(げんかんさ)療法) <花粉症の治癒をめざす>

症状を和らげるお薬による治療とは異なり、花粉症の原因物質(アレルゲン)を少しずつ体に入れて、アレルゲンに対する体を慣れさせていく治療法です。ただし、スギ花粉症とダニアレルギーにしか使えません。治療には数年かかりますが、治癒や症状がない期間を長くできる効果が期待できます。デメリットは、治療に通院の手間と時間が多くかかることや、花粉の時期以外も通院が必要なこと、喘息やじんま疹などの副作用が出る可能性があることです。このアレルゲン免疫療法には、次の2種類があります。

①皮下免疫療法

病院で皮下注射をします。初めは1週間ごとの通院で、徐々に2週間、1ヶ月と通院間隔がのびていきます。メリットは毎日のお薬がいらないこと、デメリットは最初は通院回数が多いこと・注射なので痛いことです。

②舌下免疫療法

舌の裏に液体や固形のお薬を置きます。通院回数が少ない(1か月に1-2回)、皮下免疫療法よりは喘息やじん麻疹などの副作用が出る頻度が低いというメリットはありますが、デメリットは自宅で毎日お薬を使わなければならないということです(12歳未満ではおこなえません)。

https://www.torii-alg.jp/

*いずれの場合も、ステロイドやβブロッカーというお薬を内服中、不安定な気管支喘息がある、抗癌剤治療中、妊娠中、自己免疫疾患のある方は、アレルゲン免疫療法をおこなえない場合があるので医師にご確認ください。また、花粉が飛んでいる時期に開始することは控えます。

3.手術

 重症の鼻症状のある花粉症の方で、鼻や副鼻腔の形に問題が場合には、手術が適応になることもあります。

 4.抗IgE抗体(ゾレア🄬)

花粉症で起きる最初の反応は花粉を敵として反応するIgE抗体が、マスト細胞の表面に結合することです。ゾレア🄬はIgE抗体とマスト細胞の結合を阻害する分子標的薬で花粉症の反応の根本を抑えることができます。(抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬などはこの反応の下流を抑える薬です。)これまでは重症の気管支喘息や慢性じんま疹で使われていましたが、今シーズンより重症、最重症の花粉症でも使えるようになりました。

2~4週間に1回の治療で劇的な効果がある一方で薬価が1回で12~18万円程度(体重とIgE抗体量による)と非常に高価ですのでIgE抗体が高く、ほかの治療では無効の場合のみ投与されます。

https://secure.novartis.co.jp/kafun_kyousei/severe_pollinosis/

 

《日常生活で、症状を悪化させないために》

1.花粉が多く飛ぶ時の外出を控える。外出する時は、マスクやめがねを使う。

2.表面がなるべくつるつるした服を着る(毛羽だった服は花粉がつきやすい)

3.帰宅したら、服や髪についた花粉をはたいてから家に入る。

直ぐに、顔を洗い、ガラガラうがいをして鼻をかむ。皮ふはよく保湿する

4.花粉が飛ぶ時期は、窓や戸を閉めておく。

空気清浄機を使う(花粉除去機能つきのものも)。

5.花粉が多く飛ぶ時期は、外に洗濯物を干さない。

6.部屋の掃除をこまめにする。水拭きも有効。

投稿者:

kwathema

さいたま市見沼区島町の内科・血液内科のクリニック ハレノテラスすこやか内科クリニックの院長です。東大宮駅から徒歩13分のショッピングモール内で内科のクリニックを開院しています。