新型コロナウイルス感染症の流行に伴う診療体制について

当院をご利用の患者様とご家族様各位

診療体制について
平素より当院の診療にご理解とご協力をいただきありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症の流行によりここ数日当院の診療能力を上回る患者さんが来院されております。
かかりつけの患者様におかれましては待ち時間、待合室の移動などご迷惑をおかけし大変ご不便をおかけしております。
当院では新型コロナウイルスの流行初期よりすべての発熱あるいは咳などの患者さんに対して私が研修医の頃からご指導いただいている倉持仁先生(インターパーク倉持呼吸器内科)のご協力もいただき積極的に取り組んでまいりました。しかし、8月23日日に至ってはあまりに多くの患者さんがいらしたためやむなく14時30分に新患の受付を閉めさせていただくに至りました。地域のみなさんに大変申し訳なく思いますが、流行当初より一緒にがんばってくれたスタッフに「何時まででもがんばれ」とは私の口からは言えませんでした。(夏季休暇を通常どおりいただいたのも同様の理由です。)

今後も当院では感染対策に留意ししっかりと診療に取り組んでまいります。また、これまで当院を支えてくださったかかりつけの患者さんにおかれましては優先的に診療をさせていただきます。感染リスクを感じる方につきましては電話再診、オンライン診療を積極的にご活用ください。ご不便をおかけしますが何卒宜しくお願い致します。

COVID-19の検査について
現在のデルタ株の流行においては「数日間の倦怠感」「喘息のような咳」「ワクチン接種後の発熱」の方でも陽性となる方がいらっしゃいました。当院では「発熱」「咳」「味覚障害」などの典型例でなくても総合的に判断し検査を実施しております。
ただし、検査の実施能力には限界があります。13分で結果が出るID-NOWについては多くの患者さんが来院している状況では実施できないこともあります。基礎疾患、ワクチン接種の有無、職業などからクラスターを作るリスクが高いか、他院に紹介する可能性が高い状況であるか、など総合的に判断し検査の適応を決めさせていただいております。現在は非常時であることをどうかご理解いただきますようよろしくお願いいたします。

感染予防のお願い
今回の新型コロナウイルスの流行によって当院のような零細クリニックでも診療能力の限界を迎えています。保健所の体制も限界を迎え、診断された患者さんへの連絡も2日後、3日後となっています。
死亡率が低いから大丈夫、というような議論がありますが、果たしてそうでしょうか?私は本疾患の特徴は「粘り強く治療をすれば治癒することがある」ことだと考えています。これまでの重症肺炎であれば人工呼吸管理になった段階で助かる確率は5:5、あるいは3:7ぐらい、1週間治療しても改善がなければ数日でお亡くなりになる、と考えるのが臨床医としての通常の見たてだと思います。さらにECMOまで導入したらたいていはお亡くなりになる、と考えるのではないでしょうか?大変残念なことですが、短期で態勢が決することで次の患者さんが治療を受けられていた、というのも事実です。それが本疾患の場合、20 日を超えるECMO治療を行っても改善する方がいるのです。人工呼吸器やECMOなどといった医療機器はそれによって救命できている場合、いったんつけたものを取り外せば殺人罪となります。したがって、助かるかもしれない患者さんへの治療は期限を区切らず続けなくてはいけません。その一方で医療資源は有限であり、人工呼吸器がなくなったら、次の患者さんは救命できないことになります。現在までは医療施設の頑張りで死亡率は抑えられていますが、医療資源が枯渇した段階で一気に死亡率が跳ね上がる可能性があるのではないか、と大変恐ろしく思ってみております。抗体療法を外来でも許可する、というような記事もありますが、実際に当院まで薬が届く可能性はほぼないでしょうし、そんな点滴をやる時間もスペースもスタッフも確保できないためその恩恵を受ける人は限られるでしょう。
このように医療は限界の状態です。個人的には税金と保険料を支払い、対価となるサービスを受けられない現状は民間であれば詐欺行為と思います。しかし、そんなことを言っても始まらないのでぜひこれまで以上に感染予防に気を付けていただくようよろしくお願いいたします。先述のように典型的な症状(熱、咳)がなくても新型コロナウイルスに感染している可能性があります。近所のスーパーマーケット、学童保育、保育園でも多数の感染者が発生しており「自身が感染していない」と絶対の自信をもって言える方はいないはずです。「他人にうつされるかもしれない」という考えは捨て「自分も他人に感染させるかもしれない」という考えで感染予防に心掛けていただけますと幸いです。