青あざが出来やすい

ぶつけた覚えがないところに青あざを見つけること、ありますよね?そんなときの考え方について解説したいと思います。

【どのくらいいるの?】
健康な人の12~18%は青あざが出来やすい、と報告されています。この中で本当の病気はわずかです。

【青あざが出来る過程】
青あざは皮膚の下に血液がたまることで出来ます。ケガなどで血管が破綻して出血すると、血小板が働き血液を応急的に止めます。その次に凝固因子が働きしっかりと止血します。この過程のどこかがおかしいと青あざが出来やすくなります。

簡単な理解として
コンクリートが剥がれ水があふれだしている=出血
穴を土で塞ぐ=血小板
土を踏み固めて平らにする=凝固因子
頑丈にコンクリートで舗装する=凝固第XⅢ因子

という役割分担です。

【どういうときに病気を疑うの?】
●原因
強い外傷がないのに青あざが出来たとき。(皮膚が薄い人、肥満の人、女性では思い出せないくらいのわずかなケガで青あざが出来ることがあります)

●場所
肘より先・膝より下以外に出来た青あざや、5箇所以上に青あざが出来たときには異常を考えます。関節内の出血も異常です。

●あざの種類
点状出血や紫斑は普通の青あざより病気を考えます。

●経過
手術・歯科治療・出産のときに血が止まりにくかった、経血が3日以上減らない、ヒゲそりなどの傷で血が止まりにくい、鼻血や歯肉出血を繰り返す、家族に血が止まりにくい人がいるときには異常を疑います。

【原因別に考える】

  1. 血管や周辺の結合組織の異常:たんぱく質やビタミンCの摂取不足、アルコールの飲みすぎ。加齢。ステロイド薬の長期使用。生まれつき皮膚が伸びやすい病気(Ehlers-Danlos症候群、Marfan症候群など)など。
  2. 血小板の異常:血小板が減る病気、血小板の機能を落とす薬(アスピリンやクロピドグレルなど)を飲んでいるとき、生まれつき血小板機能が落ちる病気(May-Hegglin異常、Bernard-Soulier症候群など)など。
  3. 凝固因子の異常:ビタミンKの欠乏、肝障害、血友病、抗凝固薬(ワーファリン、リクシアナなど)を飲んでいるとき、など。

【検査】
血算(血液の数を調べる)、凝固検査(PT,aPTT)を調べます。必要に応じて血小板機能を調べます。以前行われていた出血時間については不確定要素が多く推奨されません。

【まとめ】
青あざは皮下に出血したときにできるもので悩んでいる方は12~18%と、意外にいます。女性は皮膚が弱く、手足が見える服装も多いことから青あざに気づいて受診される方も多い印象です。

一般的に気づかずにぶつけることが多い肘より先、膝より下の青あざはあまり心配はいりません。繰り返す出血、家族に出血しやすい病気の人がいる、もともとの病気がある(内服薬がある)人、検査に異常がある人は原因を調べることが必要です。

判断がつかない場合、不安が強い場合は血液内科にご相談ください。