JMECCに参加しました

10月26日に内科救急の研修であるJMECCにインストラクターとして参加してきました。急変時、最初の10分の救急処置であるICLSに加えて、重症感のある患者さんへの初期対応を学ぶ講習であり、主に内科を志す研修医の先生方12人が参加されました。私はインストラクターとして指導にあたり、若い先生方の積極的な取り組みに大変刺激を受けるとともに自身のスキルを振り返る機会となりました。

患者さんを急変させない、さらに急変したときには適切な処置を行えるよう今後も定期的に参加していきたいと思いました。

参考:

https://www.facebook.com/ikashika.cpe/   (院長:最後列右から4番目)

インフルエンザについて当院の考え方(改定:2019.11.8)

インフルエンザのシーズンに入ってきました。当院でも予防接種を実施しておりますが、予防接種と感染予防策をもってしても感染は起きます。

当院では他院と同様、インフルエンザの疑われる患者さんについては迅速検査キットによる検査を実施のうえ投薬を行います。体調の悪い患者さんを出来るだけお待たせしないよう、また費用負担ができるだけ少なくなるよう対策を検討しています。

なお、下記は当院の考え方です。

院内感染の予防について:インフルエンザにかかった患者さんのうち症状が出現する割合は66.9%と報告されています。つまり、インフルエンザに罹患していても発熱していない患者さんが2~3割いることが予想されます。また、感染後発症までの潜伏期間は2日程度あります。このため発熱で来院された患者さんのみを隔離する、という方法では院内感染は防げないことが示唆されます。当院では院内に入る方全員に無料でマスクを配布し、手指消毒に協力していただくようにしております。ご協力をお願いいたします。なお、当然ながらスタッフ全員にワクチンを接種し、可能な限りスタッフの家族にもインフルエンザワクチンを接種してもらっています。

 

ゾフルーザについて:これまでの治療薬と異なりインフルエンザPAたんぱく質に作用する薬剤です。1回の内服で治療が完結し投与直後からウイルス量が抑制される大変素晴らしい薬剤ではありますが、国立感染症研究所のサーベイランスによると2018~19年にA(H1N1)pdm09に1.5%、A(H3N2)で9.4%の耐性を認めています。第Ⅲ相試験でもA(H3N2)ウイルスについて12歳未満の小児において25.7%、12~64歳で10.9%耐性ウイルスの検出がありました。耐性ウイルスは増殖能が落ちているから問題ない、との意見もありますが、実際に耐性ウイルスのヒトからヒトへの感染の報告もあります。以上のことから当院では安全性を考慮しゾフルーザは特別な理由がない限り投与はしない方針です。

妊婦さん;ご家族も含めて予防接種をぜひ受けるようにしてください。妊娠中でも構いません。国立成育医療研究センターによれば妊娠中であってもオセルタミビル(タミフル)の催奇形性はほぼ否定されています。一方でインフルエンザの罹患による合併症、妊婦の死亡、児の先天異常などを考慮すると早期の治療が有用とされています。疑われる際には早めの受診をお願いします。

合併症(慢性肺疾患、心臓疾患、血液疾患、糖尿病など)がある患者さん、65歳以上の高齢者:合併症のリスクが高いと言われています。ご家族も含めて予防接種をぜひ受けてください。インフルエンザ迅速検査が陰性であっても突然発症の高熱、上気道症状、インフルエンザの患者との接触などがあった場合には臨床的な判断によりオセルタミビル(タミフル)、イナビルなどの投与を検討させていただきます。ただし、インフルエンザ以外には上記薬剤は無効です。

予防投与:合併症のある患者さん、妊婦さんなどの高リスクの患者さんには予防投与をお勧めします。ただし、保険診療ではなく全額自費となります。診察料もあわせてオセルタミビル(タミフル)4690円、イナビル10歳未満5570円、10歳以上7750円です。

ザ・鹿肉バーガー

東大宮駅で毎日気になっていたベッカーズの鹿肉バーガーを食べてみました。柔らかく余計な油も少なくおいしかったです。鹿肉は鉄分も豊富で貧血の方にも良いようです。

そこで終わればよいのですが、つい悪い癖が出ていろいろ調べてしまいました。現在日本の山間部では猪、鹿などが増加し、田畑を荒らすなどの被害が出ています。有害動物として駆除していますが、実際に食べられているものは10%もないそうです。(駆除といってもライフルで打つケースはずいぶんと減って罠をしかけることが増えているようです。)

 

 

しかし、野生動物を食肉として流通させることは流通、安全などの面でずいぶんとハードルが高く立ち遅れていました。なぜなら野生動物ですのでE型肝炎、下痢原性大腸菌などの感染の可能性があり、適切な処理をしなくてはならない一方で捕獲する方が精肉処理、流通までを担当するためなかなか食卓に上らなかったようです。平成30年5月18日に農林水産省は、国産ジビエ認証制度を立ち上げており、今後はジビエの流通の後押しをしてくださることと思います。

いずれ、鉄欠乏性貧血の患者さんに「鹿を食べてください」という時代が来るかもしれません。ただし、感染症についても一緒に増えてしまっては大変です。くれぐれも生食しないようご注意を。

参考

https://www.jefb.co.jp/beckers/topics/archives/64

http://www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/ninsyou.html

防災訓練

今日は7時50分からハレノテラスの防災訓練でした。避難訓練と初期消火の方法について実際に訓練を行いました。当院からは3人が参加しました。災害はいつ起きるとも限らないため日ごろの訓練が重要と思いました。

なお、当院ではAED、バックバルブマスクなど初期救命器具を完備し、院長はJMECCインストラクターとして初期救命の指導に当たっています。ハレノテラス内やご近所での初期救命については当院も積極的に活動していきたいと考えています。

勉強になりました (血液型の亜型)

今日の診療中にお問い合わせの電話をいただきました。

「母が40歳頃までA型と思っていたのですが、A1Bm型の血液型でした。自分も調べた方が良いでしょうか?すこやか内科で調べられますか?」

というご相談でした。恥ずかしながら私は何のことか理解できませんでした。

調べてみたところB型赤血球のB型抗原を作る指令が増幅されず、B型の抗原が極端に少なくなる遺伝的な体質のことでした。

下の図で示したようにO型の赤血球にはA型、B型の抗原はありません。A型にはA抗原、B型にはB抗原、AB型にはA抗原とB抗原がついています。

A1Bm型では本当はAB型なのにB型の抗原が少なく検出されないためA型と間違われてしまうことも多いらしく、最悪の場合間違った輸血をされてしまい、致死的な合併症を生じる可能性があります。

当院では調べられない内容でした。

O型

 A抗原B抗原(-)。

A型  A抗原(++)

B型   B抗原(++)

AB型  A抗原(++)、B抗原(++)

A1Bm型  A抗原(++)、B抗原(+)

 

日赤血液センターにお伺いしたところ大病院からの依頼、あるいは献血などで調べているとのことでしたのでそのようにお伝えしました。

血液内科15年目で、新たな勉強の機会をいただけたことに感謝です。お問合せいただきありがたかったです。

親切に教えていただいた日赤血液センターの方、ありがとうございました。

糖尿病の患者さんはがん検診をうけましょう

私が専門とする血液内科では治療成績の向上に伴い、治療後に生じる悪性腫瘍への対応が課題となっています。例えば悪性リンパ腫のひとつであるホジキンリンパ腫は、今や80%の患者が治癒するため、治療(放射線+抗がん剤)によって増加するがんのリスクに対して治療を縮小すること、検診を受けていただくこと、が課題になっています。同じく造血幹細胞移植(同種移植)を受けた患者さんは固形がんの発症リスクが2~3倍であることが知られており、移植前からがん検診を受けるよう患者さんにお話ししています。

ところが、糖尿病と言えば血管系の合併症(脳梗塞、心筋梗塞、腎不全)が命に関わる、という意識が強く、私も含めて発がんについてあまり意識されていなかったように思います。しかし、「糖尿病の死因に関する委員会報告」によると現在の死因第 1 位は悪性新生物( 38.3 %)、第 2 位は感染症( 17.0 %)、第 3位は血管障害(慢性腎不全,虚血性心疾患,脳血管障害)( 14.9 %)という結果でした。すなわち高血圧や高脂血症に対する薬物療法が進歩し、血管障害が減少している一方で(減少したからか)、悪性腫瘍でお亡くなりになる方の割合が増え続けているのが現状です。「糖尿病と癌に関する委員会報告」によると男性1.27倍、女性1.21倍と発がんリスクが高いことが報告されており、スウェーデン、米国の観察研究によると血糖のコントロールの良し悪しに関わらず発がんのリスクが高いことが示されています。

以上のことから厚生労働省では、胃・子宮頚部・乳房・肺・大腸についてのがん検診を推奨しています。糖尿病は全身病であり積極的に健康診断を受診するよう心掛けていただきたいと思います。

(詳細 http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/070/020/04.html)

高齢者におすすめするワクチン ①水痘帯状疱疹ワクチン

水痘(水ぼうそう)は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる伝染性疾患です。皮疹が軽快した後にVZVは神経に潜伏感染し加齢、疲労、ストレスなどにより免疫力が低下すると再活性化し帯状疱疹を引き起こします。

50歳以上になると帯状疱疹の発症は増加し、70歳以上でさらに高くなり85歳までに半数の人が経験すると報告されています。さらに2014年10月から水痘ワクチンが小児への定期接種として開始されたことから、一度水ぼうそうにかかった方はVZVウイルスとの接触する期会が減っており、免疫が維持されにくくなることで、ますます帯状疱疹になりやすくなるものと予想されます。

帯状疱疹の合併症では10~20%に発症する帯状疱疹後神経痛が重要です。皮疹消失後3か月以上にわたって痛みが持続することを指し、焼けるような耐え難い痛みが続きます。皆さんの周りにも苦しんでいる方がいるのではないでしょうか?

日本では2016年3月から50歳以上の人に対する帯状疱疹の予防として水痘帯状疱疹ワクチンを接種することが認められました。治験では60歳以上で、帯状疱疹の発症が51.3%減少、帯状疱疹後神経痛の発症が 66.5%減少し、50歳~59歳で帯状疱疹発症が69.8%減少しました。副反応は注射部位の皮膚反応が主で重篤なものはみられませんでした。(効果は一般的に5年程度と考えられています。)

9月16日は敬老の日でした。来年の御両親、祖父母へのプレゼントとしてワクチンを検討されてみてはいかがでしょうか?

参考資料:

M.N. Oxman, M.D. et al.  N Engl J Med 2005; 352:2271-2284

帯状疱疹ファクトシート(厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000184909.pdf)

スマホアプリで健康増進

新型iPhone発売のニュースが世間で話題になっていますが、今やスマートフォンの普及率は85.1%(2019年2月)と多くの方がスマートフォンを利用されています。

ではスマートフォンのアプリを健康増進(食生活、運動、座ったままの生活の改善)に利用できないでしょうか?2006年~2016年までに報告された論文27報(小児~若年者4報、大人23報)をまとめた報告によると小児では効果あり(1報)、一部効果あり(1報)、変化なし(2報)と評価が定まっていません。一方で、大人では変化なし(6報)に対して効果あり(17報)と有効な可能性があることが示されました。また、教育、カウンセリング、やる気の出るメール、ウェブサイト、歩数計などをアプリと併用することで効果が上がる可能性がある、と報告されました。

同様に「ポケモンGo」の活動量への効果を見た論文が香港より報告されています。これによるとiPhoneを持つ13~65歳までの210人がポケモンGOをインストールし、歩行距離の増加(18.1%:0.96㎞)がみられたそうです。ただし、24日で飽きてしまいその効果が打ち消されたとのことでした。(米国では飽きるまで42日だったそうです。)

これらの結果からスマートフォンのアプリは生活習慣病の予防や改善に役立ちそうで、長く続けることが重要と言えます。

ハレノテラスにはNTTドコモ、ワイモバイルの店舗もあり、きっとそれぞれの店員さんが親切に教えてくれることと思います。スマホを健康に役立ててみるのはいかがでしょうか?

参考文献)

Schoeppe et al.  International Journal of Behavial Nutrition and Physical Activity (2016)13:127

Ben D Ma et al. Journal of Medical Internet Research (2018)20:e217

ブログを開設しました。

ハレノテラスすこやか内科クリニック院長の渡邉です。

このたび当院のブログを開設いたしました。

医療、健康についての話題のほかハレノテラスで行われるイベントなどについて更新していたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。