貧血
貧血
《貧血とは》
貧血とは、「赤血球中のヘモグロビン値が低下すること」です。
体のすみずみまで酸素を運ぶトラックのような役割をするヘモグロビンが減少することで疲れやすい、動いた時に息切れがするなどの症状が出ます。
ゆっくりと貧血が進むとからだが貧血状態に慣れてしまい重症でも気づかないことがあります。
しかし、重症になると心臓や腎臓に負担がかかりそれぞれの機能を落とすこともあります。
ヘモグロビン 7 g/dl 未満では心不全になることがあり、輸血を考慮する重症な状態です。
また、お子さんの場合はスポーツや学校の成績の低下、などといった形で症状が出る場合もあります。
よく言う「立ちくらみ」「ふらつき」は貧血の症状ではありません。
血管迷走神経反射や起立性調節障害と言われる症状であり貧血とは異なるものです。
参照:当院Blog「起立性調節障害について」
《貧血の原因》
大きく分けると4つです。
➀材料不足
鉄、ビタミンB12、葉酸、銅などヘモグロビンを作るのに必要な材料が不足する。
➁材料をうまく使えない
慢性の炎症や腫瘍(がん)、腎臓が悪い場合など材料があってもうまく利用できなくなります。
➂工場(骨髄)の問題
・血液のがん(白血病、多発性骨髄腫など)
・血をうまく作れない病気(骨髄線維症、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血など)
・がんの骨髄への転移
などにより血液がうまく作れなくなる。
これらの病気ではたいてい正常な白血球や血小板も低下します。
④作ったあとに壊されてしまう
肝硬変、溶血性貧血など正常に血液が作られても壊されてしまう。
《診断について》
問診などで貧血が疑われる場合は、採血しヘモグロビンの低下を確認します。
そのうえで、貧血の原因を調べます。
血液の工場(骨髄)に問題がある場合に限り骨髄検査を実施します。
《治療について》
診断に応じて治療の内容が異なります。
「貧血だから」と鉄剤を内服するだけでは重大な病気を見逃す可能性があり、原因をしっかり調べることが重要です。