高血圧
《高血圧とは》
正常な血圧は、収縮期血圧120~129/拡張期血圧80~84mmHgとされています。
診察室での血圧が140/90 mmHg以上を「高血圧」とい。
《血圧が高いと何が問題なのですか?》
血圧が高くても症状は特にありません。
しかし、高い状態が長く続くと血管がもろくなり詰まったり破れたりして、全身の臓器に影響が出ます。
心臓や腎臓がわるくなったり、脳梗塞・脳出血を起こしたり、眼の血管に影響が出ると目がわるくなることもあります。
全身の臓器に影響が出てから血圧をあわてて下げても、もろくなった血管や、機能の落ちた臓器が良くならないこともあるのです。
こうした高血圧による怖い合併症を防ぐためにも、普段からご自身で血圧を管理していくことが大切です。
《ご自宅で血圧測定をする意味は?》
病院に来て血圧をはかると緊張して、血圧が普段よりもとても上がってしまう方もいます(白衣高血圧)。
逆に、診察室では問題なくても、自宅や他の場所で測ると血圧が高くなる方もいます(仮面高血圧)。
そうなると、血圧の正確な評価・治療ができなくなってしまいます。
このため、ご自分の正確な血圧を把握するために、自宅での血圧測定が重要です。
《自宅での血圧のはかり方》
・ 朝起きて、お手洗いに行ってから、座って1-2分安静にした後に血圧をはかりましょう。
・ 血圧計のカフ(腕に巻く部分)が心臓の高さに来るように、血圧計を置く高さを工夫してみましょう。
* 出来れば毎日記録することが望ましいですが、難しい場合は週に数日でもいいので長く続けて、自分の血圧を把握することを習慣にしましょう。
家庭血圧では 135/85 mmHg以上が「高血圧」です。
*一過性に血圧が高いことは心配いりません
毎日血圧をはかっていると、突然血圧が跳ね上がる日もあります。
しかし、それが何日も続くのでなければ、心配しないでください。
血圧は、疲れているときや寝不足のとき、心配事があるときなど少しの事でも上がりやすいです。
血圧が高いときはその前にがんばり過ぎたり体調が悪かったことの結果であることが多いです。
一度目の血圧が高くて心配になって何度もはかると、どんどん数字が上がっていくこともありますが、いったん深呼吸して落ち着きましょう。
様子をみて、血圧が高い状態が続く場合やいつもと違う症状がある場合は、医師にご相談ください。
《治療について》
高血圧は、数ヶ月で血圧を下げておしまい…ではなく、合併症を起こさないためにも年単位でよい状態を保っていくことが大切です。
初めから生活習慣の改善をがんばり過ぎると疲れてしまうこともあるので、無理のない範囲で出来ることから始めていきましょう。
例えば運動は週に数日でもかまいません。ひかえた方がよいとされる食べ物も、全く食べてはいけないわけではないので、時々は食べてもかまいません。
お薬をうっかり飲み忘れてしまっても、そういう時もあるでしょう。
タバコも自分だけでやめるのが難しければ、医師に相談してください。
コツは、「多少細くても長く続けること」です。
病院の次の受診までにうまく出来ないことがあっても、嫌にならずにコツコツ通院を続け、出来ることをやっていきましょう。
医師や看護師が相談にのりますので、あなたの今後の生活をよくしていく為に、一緒に取り組んでいきましょう。
1.食事:まずは、食事が基本です
・ 塩分は1日6g未満(一度、自宅のはかりで6gをはかってみましょう)
減塩するための工夫として、香辛料やハーブ、減塩味噌・醤油・ポン酢、レモンなどを使ってみましょう(スーパーでも減塩調味料を売っています)
・ 野菜を多めにとり、お肉の脂身は避けて、魚を積極的にとりましょう。
・ 当院では採血と検尿により推定一日食塩摂取量をお示ししています。ご自身がどのくらい塩分をとっているか、を確認し、食事療法に活かしてください。
2.運動
体重が多い方は適正体重になるよう、速歩やマラソン、水泳、サイクリングのような有酸素運動も取り入れましょう。
3.飲酒量は減らして、たばこは禁煙しましょう。
4.処方されたお薬は、毎日決まった時刻に飲みましょう。
一日の内の血圧変動を減らすことが、血管への負担を減らします。
* 高血圧以外に糖尿病や心臓病、腎臓病のある方は、食事や運動に制限があることもあるので、医師にご確認ください。